今回紹介するのは神獄塔 メアリスケルターEDの「ヨロコビノウタ」です。
カノン、G線上のアリア、メヌエットといった名だたるクラシックの名曲を
ロック調に表現しメドレー形式で纏め上げた一曲です。
クラシックを採用したのはゲーム本編が童話を引用しているからでしょう。
厳かながら曖昧だったイメージは明確なコントラストにより具現化され、愚かなる現代人でも楽しめる形になっています。
特にサビ部分に配役されているメヌエットの印象は大きく変わりました。
クラシックは人類が持つ過去の栄光の象徴であるのに対し
未来につながる圧倒的な希望がこの歌を包み込んでいます。
極めつけはこの歌詞でしょう。
もうダメだ もうダメだ もう終わりだ
どうしよう どうしよう 奪い去られて
ひとつも残ってないと 君は嘆くけど
でも君は まだ息をしてるじゃないか
インパクトがありますよね。
息をしていれば希望はあるという暴力的なメッセージなのですが
落ち込んだ背中をバシっと叩いてくれるような性質を持っています。
すべての人々を希望の感情に変えてしまうぞという強い意志を感じました。
過去から未来へ向け、全ての人類に歓びを伝えたい。
そんな思いが伝わってきます。
そして、個人の絶望がいかに小さなものなのか痛感させられます。
絶望の底から高みへ這い上がった者だけが持ち得る歓びを
わずか数分で体感できる素晴らしい歌です。
なお、同ゲームOP「予め失われた僕らのバラッド」のアンサーソングであることは間違いないでしょう。
併せて聴くことをお勧めします。