分水嶺という言葉を知っていますか?
山稜に流れる雨水が分岐することを喩えて、物事の分かれ目を意味しています。
僕は分水嶺の意味を初めて知った時、猛烈に変な言い方せずに分かれ目って言えばいいじゃん笑と思いました。
しかし、ノベルゲームを何度もプレイしていると意外と出てくるんですよね、分水嶺。
見る度に出たよ格好付けた言い回しとか思っていたものですが、慣れがそうさせるのかいつしか何の違和感も無く分水嶺の存在を受け入れている自分が居ました。
そうするとついに、語彙となって自分の思考にも登場してしまいます。
「物事の分かれ目」なんて日常だろうがゲームだろうが頻繁に登場するわけで、生きているだけで思考における分水嶺度が濃くなっていきます。
分かれ目との違いを挙げるのならば、イメージのしやすさでしょう。
山稜を滑る水が分岐していく様は明瞭に想像できるのに対して、分かれ目はあくまで概念でしかない。
類義語としては他に「分岐点」等がありますが、分かれ目と変わらないですね。
気づけば、パッと思い浮かぶのは分かれ目ではなく、分水嶺に変貌しています。
そして、今では僕は分水嶺を使うことに全く抵抗が無くなっています。
しかしなんだか妙にキザったらしい印象を受けるのは事実で、変な言い方せずに分かれ目って言えばいいじゃん笑と思われないように使う場所には気をつけたいと思います。
人の目を気にし過ぎると問題ですが、少しは気にした方がいいですからね。
相手の印象を決める、使うか、使わないかの選択。それが……
分水嶺。
分水嶺症候群——Watershed Syndrome—— 了